韓国は空が広かった
10日間ほど韓国に滞在していたわけだが、日本にいるときに比べて空が広いことに何度が気がついた。高層建築物が少ないからだろうか。それとも韓国の山が日本と比べて低いだろうか。頭上にはいつも広大な空が広がっていた。
ソウル市は韓国の人口の21%が集中している。(5人に1人はソウル市に住んでいる!)韓国人の同僚によると、ソウル市には韓国の自動車の17%が集中している。典型的な一極集中の国なのだ。しかし不思議なことに、ソウルに訪れても、東京や大阪で感じるような人多さや車の多さをそれほど感じない。東京と比べると、感覚的にはソウルのほうが人が少なく感じる。街の大きさも、予想していたよりこじんまりしている。日本に住んでいて、メディアだけを通して韓国の情報を仕入れていたから「韓国」という国のイメージばかりが膨らんでいってのかもしれない。そのイメージは実体とはかけはなれてしまったので、実際にソウルを訪れたときに、少し「拍子抜け」したような感覚を受けたのかもしれない。
そんな実体を垣間見て、改めて韓国という国を考えてみると、これまで成し遂げてきた経済成長に感銘を受ける。日本がかつてたどった工業化に邁進し、短期間でHyunday, Samsung, LGなどの巨大な多国籍企業を育て上げた。半導体などではハイテク産業で世界をリードしているのだ。
一方、少し郊外や地方へ足を伸ばせば、日本人が「懐かしい」と感じてしまうような「昭和の世界」が存在している。人々は素朴で、世界で繰り広げられるビジネスの「ラットレース」とは無縁の世界で生きているのではないかと思ってしまうほどだ。
このギャップが韓国にとってプラスとなるのかマイナスとなるのかは分からない。しかし、韓国の人達から暖かいもてなしを受けた人間としては、韓国が経済発展を続けてユニークな国になってほしいと思っている。