なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

シリコンバレー在住のジャーナリストでコンピュータ・サイエンスの客員教授も勤める著者が、シリコンバレーの住人の「生き方・考え方」について紹介している本。小話に区切られていて読みや易い。そして、シリコンバレーのテクノロジーに対する絶対的な楽観性、理想を本気で現実に変えてしまう情熱、自由に対する信仰にも似た思いが良く分って面白い。

(問)なぜシリコンバレーでは資源ゴミの分別をやめたのか。
(答)一緒くたにまとめて捨ててもらった方が、効率よく資源を回収できるから。

分別を厳しくすればするほど守る人は少なくなり、資源ゴミそのものが集まらなくなることが分かった。分別を止め、その代わりに最先端の自動仕分け装置を導入し、さらに人手を加えれば、資源ゴミの回収量も増えるし、より正確な資源ゴミの分別が可能になった。

逆転の発想で目からウロコである。日本の自治体のように「牛乳パックを捨てる際は、まずパックを洗って乾かし、パックをばらしてから・・・」というように、捨てる側に一方的なストイックさを要求するのは万人向けではない。それよりは、機械で自動的に分別させて人々の負担を最低限まで減らしたほうが良い。そして、気軽に資源ゴミとして出せる仕組みを整えれば、制度として広く普及するはずだ。

個人的には、このような逆転の発想が大好きだ。コペルニクス的発想が大好きだ。社会の大勢のスキをついて結果をひっくり返してしまう発想が大好きだ。