画家と庭師とカンパーニュ

前から気になっていた映画だった。神戸のシネ・リーブルで見た。センセーショナルな演出もなく、音楽も静かで質素な映画だが、人生の生き方について考えさせられる前向きな映画だと思った。「ナイフとロープが大切だ」というメッセージ。これがこの映画の一番重要なメッセージだ。「ナイフ」は関係を切るもの。「ロープ」は関係を結びつけるもの。主人公は身近な人間関係や自らの仕事に悩みながらも、友との会話によって再び失われた活力を見いだしていく。


映画を見終わった後によく考えると、「抽象的な価値に固執するよりも、目の前にある愛すべきものに目を向けるべきだ」という監督のメッセージも込められているように思えた。心が温かくなる良い映画であった。