フューチャリスト宣言 (ちくま新書)作者: 梅田望夫,茂木健一郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/05/08メディア: 新書購入: 15人クリック: 170回この商品を含むブログ (680件) を見る

「ウェブ進化論」で２１世紀のネット社会を洞察する梅田望夫氏と脳科学者茂木健一郎氏の対談である．インターネット，オープンソースという概念は，生まれてからまだ日の浅い．多くの人間が，人類社会を根本的に変える潜在力がありそうだと，期待，または恐れを感じているのだが，その具体像が見えてこないので議論も浅いものに終始しがちであった．そのようななか，この本ではネット社会がもつ可能性の大きさについて，既存社会に属さない彼らの経験に基づいた確信が，率直に語られている．より良い社会の出現と，それに参加し，新しいものを創りだしていこうという彼らのアジテーションが心地よかった．２１世紀は，国家の時代でも企業の時代でもない．１人１人の個人の時代である．いち早くその事実に気付いた者達から，新しい可能性が花開いていくのだろう．
　
既存社会の「常識」に満足出来ず，自問自答しながら苦しんでいるものにとって救いの書である．